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Posted by んだ!ブログ運営事務局 at

釘師

「おはよう」


彼は 額の汗を 右手で拭いながら 更衣室に 入って来た。


「ういっす!だけど毎日こう暑くっちゃ 嫌になるな!」


中には すでに同僚の一人が、着替えてる最中だった。


「今日も 行く?」

同僚は 手にグラスを持って 口に近づける仕草を しながら言った。


「ここんとこ連チャンが、続いてるから 今日はヤメとくよ!」


彼の仕事は 夜勤で、ここ数日は 仕事を 終わえると


毎日の様に 行き付けの飲み屋に通っていた。


実は 彼は このお店で働く前は


このお店の パチンココーナーに 入り浸っていた。


そして、友人数名とつるんで、


毎日の様に 小遣いを稼いでいた。


だが、ある時期から あまり稼げなくなり

バイトでもしようかと 考えていた。


そんな ある日、いつもの如く、


行き付けの飲み屋で、友人と飲んでいた時


常連のおやじが、入って来た。


「おうっ!今日は儲けたか?」


おやじは ママからおしぼりを受けとると

ニコニコしながら 彼らの二席離れたカウンター席に座った。
(男)
「全然駄目だよ!川又さん もうちょっと開けてくれよ!」

(おやじ)
「どうして? 開いてる台もあるだろ?」

(男)
「他にも 俺らみたいな輩が、大勢いやがるから競争率が、激しいんよ!」

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2012年03月07日 Posted by バーバー at 23:28Comments(0)

謎の集団

「これで、いいっすか?」


彼は、小走りにやって来て


ポケットから 小銭を取り出し


煙草と一緒に おっちゃんに渡した。


「おうっサンキュー!これで、ジュースでも飲みぃや」


男は いつもの如く、チップを貰い 礼を言った。


実をいうと、このおっちゃんは ただの客ではない。


このお店には プロと噂されている客が、数名いて


このおっちゃんも その中の一人である。

そして それらの人は、お店から


出したコインの数量を制限されていた。

男は このお店に働いて、かれこれ半年程になるので


この謎の集団の事は もちろん良く知っていた。


だが、彼も高校の頃から


パチンコやアレンジボールを打っていた訳で


学校を卒業してからは


日に サラリーマンの日当ぐらいは 稼いでいた。


だが、このスロットマシンというものは

数回打った事は あったが、機械の全体的な造りは


パチンコと違い、機械の造りやゲーム性を考えると


勝てる要素が、まったく無いように思えた。


確かに 彼は このお店の常連である友人数名から


このお店のスロットコーナーには


何かしらの方法で、絵柄を並べて


毎日、稼いでいる連中が、いるらしいという噂は聞いていた。


実際、彼等従業員は、スロットコーナーの店長から  続きを読む


2011年05月21日 Posted by バーバー at 02:31Comments(0)グルメ 芸能

序章

「にいちゃん!煙草買って来てくれへんか?」


小綺麗でダボダボのねずみ色した


作業服を着た常連のおっちゃんが

吸いきったセブンスターの空箱を


ぎゅっと捻りながら言った。


「はいっ!セブンスターですね?」


今でも 従業員が、ここまでのサービスを

する事などないと思うが


もちろん その当時も同じである。


ただ、この男の場合 出来る限り


トラブルを回避したいという思いもあったが


一種の悪賢い性格からくるものかも知れない。


客に嫌われて、嫌な思いをして働くより

出来る事なら 好かれて気分良く働いた方が

よっぽど得だと思っていたのである。



昭和55年 沖縄ーー



だから 機械のトラブルで呼ばれた場合


トラブル解消後、中のコインを数十枚取って


マシンの下皿へ 入れてやっていた。


普通 全国何処の遊技場でも


機械のトラブルの場合は


トラブル解消後はコイン3枚分程度のサービスと


ほとんどの店舗で、決められているものだ。


だが、男は必要以上のサービスをしてやり


それ以外の場合でも

客のある程度の我がままも


聞いてやっていた。

結果、公認ギャンブルという仕事柄  続きを読む


2011年05月19日 Posted by バーバー at 23:29Comments(0)昭和 ギャンブル